ヒロイン登場(しかも俺)

「ほーたーるの ひーかーり・・・」


私立天翔け女学院卒業式。私は、来年卒業だ。
友達は皆、部活の先輩と話をしたり、好きな先輩!?に告白したりと、
また驚いた事に、泣きだす奴まででるしまつ。


「はぁ、だるい・・・」思わずためいき。


私には、話す先輩もいないし、泣きながら先輩と別れを惜しむ事もできないし、
ましてや、好きな先輩はいないし。まあ、友達も少ないけどね。
そんな、だるい気持ちもつかのま、卒業式が終った。
「一緒に、帰りましょ」と、赤い目をした数少ない友達が言う。
この友達は、いつも私に寄ってくる。別に、私に寄って来なくたって
他にも友達がいるのに。他の数少ない私の友達はみんなそう。
私がいなくったって別に、何も変わらないはずなのに。
家に帰る途中、私達は近くの喫茶店に寄った。
この喫茶店、この街ではめずらしいネットカフェだ。PCが何台かある。
PC使用料を払えば、コーヒーが無料という事もあって、
私達の溜まり場になっている。
私達の数少ない友達は、このPCで刺激を求めてるらしい。


「おまえら、犯罪はやめろよ」と私も覗き込む。

「男は、こんなサイト開いて楽しんでるんだね」と赤目の友達が言う。


エロサイトを開いて、キャッキャ言っていると、それは起こった。


「どこだここは。」


急に、辺りが暗くなり、目の前には大きな木が立っている。
さっきまで、ネットカフェにいたつもりが、見知らぬ土地にいる。


「さっき飲んだコーヒーの中に、なんか入ってたのかなぁ(´Д`;)」


そう、思うしか私達には理解できなかった。
とりあえず、私達はその大きな木に寄りかかる。
どうやら、私含め5人が、ここに来たらしい。
5人で、喫茶店入ったんだから当たり前か。
数も数えられないぐらい混乱状態の私達は、
その場を後にし、落ち着けそうな場所を探した。
場所は、すぐ見つかった。タマネギみたいな小屋。


「落ち着けねぇ・・・」と私。


贅沢は言ってられないので、その小屋で休む事に。


「なんか、わくわくしてきた( ・∀・)。」と赤目の友達。
「電波届かない(ノД`)」と携帯好きの友達。
「あの喫茶店、訴えてやるヾ(`д´)」と強気な友達。
「なんとか、なるさ(ノ∀`)」と楽天家な友達。
「まぁ、夢だから寝れば覚めると思うよ」と私。


不安を、おしゃべりで打ち消すかのように、
私達は延々とくだらない話をした。
しかし、しゃべり疲れたのか、楽天家の友達が寝るのを見ると、
みんな寝だした。
私も、寝たかったが、こんなタマネギみたいな小屋で寝れるはずがない。


「早く、夢さめないかな。」と私。
「( ´△`)アァ-、喫茶店の人に何かされてんだろうか。」


と思いながら、その大きな木を見つめていた。


次回につづく(ノ∀`)ノ